~ 本場のティータイムを、岡崎で ~
イベント開催報告
◆2024.9.3 Keswick旅行会
 〈海外旅行好きな方、大集合!〉
第2回の旅行会を開催しました。今回は「海外旅行好きな方、大集合!」ということで、渡航経験豊かな2名の方にご参加いただき、店主、副店長と合わせて4名で賑やかに語り合いました。
【それぞれの旅のお話】
●まずは副店長の春名からこれまでの渡航歴を披露しました。当初はさほど海外旅行に興味はなかったのが、1991年に会社の先輩から誘われて行ったロンドンに感激して以来、毎年のように出かけるようになりました。1994年1月にパリ、同年秋にはサファリのためアフリカのケニアを訪れます。その後しばらくは仕事が忙しくなって中断しますが、1998年には出張のためアメリカ各地を訪れ、そこに休みを付け足して南米最南端のパタゴニアを訪問。パタゴニアでは野生のペンギンを見る目的が果たせず、翌1999年にフォークランド諸島で望みを果たします。2000年2月ではオーロラを見るためカナダを訪れ、同年秋にはかつて訪れたロンドンとパリを両親を連れて再訪。2001年に会社を辞めた際には、大好きだったミュージカル『スターライト・エクスプレス』終演の報を聞いて再びロンドンを訪れ、続いて訪れたパリでは短期アパートを借りて一ヶ月を過ごします。2003年には再びサファリのためタンザニアとケニア、そのトランジットでインドを周遊。2004年には『スターライト・エクスプレス』の巡回公演のため、またまたイギリスのサンダーランド他を訪問。2005年に結婚してからは、夫婦でイギリス、ドイツ、イタリア、ニュージーランドをそれぞれ2~3週間ほどずつ訪れました。
●次に前回もご参加いただいた、英語教師のUさん:「海外は相当行っているのですが、一番最近だとコロナになる寸前のシンガポール。三十数年前に続き二回目の訪問で、初回のノスタルジックな雰囲気とは違い、二回目は水も電気も使い放題の経済状況になっていました。マーライオンも新しくなり、中国人の存在が強くなり、三十年でこれほど変わるのかと驚きました。シングリッシュと呼ばれるシンガポール流の英語に手を焼き、英語教師としての自信をなくしかけましたが、最終日にイギリス人もシングリッシュは理解しづらいとわかって安心しました。そうして新旧の違いを見られたので、同様にかなり昔に訪れたニュージーランドも今行ったら面白いだろうと思います。
 グアムには家族旅行で十回ほど訪れていて、もう何回行ったかわからないほどです。その他、イギリス、イタリア、バリ島、インドネシアのペナン島、カナダ、アメリカ、香港、サイパン、ニュージーランドにも行きました。住みたいと思ったのは、ニュージーランド、オーストラリア、カナダなどで、大橋巨泉のOKギフトショップのある国は確かにいいなと思います。南半球はほっとしますね。」
●続いて、初参加のSさん:「個人旅行ではなく、ツアーで行くことが多いです。最初は家族でハワイに三度、オーストラリア、グアムなどを訪れ、その後は夫と中国に行ったりしました。10年前くらいにガンを患い、その後は毎年のように出かけています。抗がん剤治療を続けているなかで出かけたスイスも良かったのですが、同行の方からノルウェーのオーロラクルーズを紹介されて出かけてからオーロラにはまり、カナダのイエローナイフやアラスカのフェアバンクスに行きました。クルーズにもはまり、地中海に2回、アドリア海にも赴きました。英語を学ぶためオーストラリアに一ヶ月ほど留学したこともありますが、ほとんど遊んでました(笑)。ポケトーク(翻訳機)を使いながらアメリカのラスベガスにも出かけました。コロナ禍の最初期、地中海クルーズから帰ってきた際にはコロナに罹ってしまい、大変でした。一昨年はふたたびノルウェーのクルーズに行き、前回は北回りだったので今度は南回りを選びました。そして今年、オーストラリア、ニュージーランド、タスマニアを巡るクルーズに出かけました。
 今回、この旅行会で皆さんどんなところに行かれてるんだろう、どんな国が良かったんだろうと思い、楽しみに来ました。私はイギリスはなぜか行ったことがなくて、でも今はもっと北のアイスランドに行こうか、それともアジアにも行ったことがないのでベトナムやマレーシアやシンガポールを巡るアジアクルーズにしようか、あるいはカリブ海クルーズにしようか、あたりで迷っています。町の建物を見るのもいいのですが、私は自然を見るほうが楽しいかなと思って、オーロラやフィヨルド、ヴィクトリアの滝を見た時も感動しました。パタゴニアも行きたいのですが、調べると料金が高くてびっくりしました。」
●最後に、店長のあでりー:「いちばん最初の海外は、語学留学で三週間滞在したカナダです。その後、そこまで頻繁には行っていないのですが、半分は会社の社員旅行でフィリピンやタイに行きました。当時勤めていた会社が地球環境のためマングローブの植林をしており、どちらもその植林体験が目的でした。そのため、普通の観光地ではない無名の場所を訪れることになり、あとで現地の人に話をすると、「なんでそんなとこ行ったの?」と驚かれました。会社の支店のあるニューヨークに一週間行ったり、別の会社に入った時も、二年に一度の社員旅行で韓国に出かけたり。そして、ペンギンが好きなのでどうしても野生のペンギンが見たくて、会社を4か月間休職してファームステイで滞在しました。その後に結婚し、二人で行った場所は先ほどお伝えした通りです。ニュージーランドは21年ぶりの再訪だったのですが、前に行った場所がきれいに変わっていたり、ぼろかった博物館が立派に改装されていたり、前よりも料金が格段に高くなっていたりして、もちろん施設もグレードアップはしているんですが、びっくりしました。」
【写真を見ながらさらに詳しく】
●春名から、1998年のパタゴニア旅行について写真を見ながら詳しく説明しました。ミロドンという動物の骨が発見された洞窟から、絶景で有名なパイネ国立公園を訪れました。グアナコ(ラクダ科の動物)やパタゴニアキツネなどの野生動物、ソーダアイス色のきれいな氷河が印象的でした。氷河のかけらを拾いましたが、途方もない時間をかけて凝縮されているので、すごく固かったです。氷河のそばに野生の馬がいて、怖くて近寄れませんでした。パイネは夕焼けも朝焼けもきれいでした。その後、チリからアルゼンチンに移り、カラファテという村を起点にして、有名なペリトモレノ氷河を訪れます。氷河は高さ60メートルほどで、展望台が目の前にあるからきれいに見られます。夏だと氷が崩壊するのですが、秋だったのでそれは見られず、それでもときおり、ビシッビシッというきしむ音がして、ライフルの銃声のように響いていました。プンタ・アレーナスの公園には原住民の像があり、足に触るとまたここに帰って来られるということでピカピカに光っていました。車を借りて郊外のペンギン営巣地に出かけましたが、残念ながらその時期はペンギンはいませんでした。途中、ダチョウを小さくした大きさのニャンドゥーという鳥を見ました。」
●Uさんからは、ニュージーランドを中心にアルバムの写真を見せて頂きました。「オークランドのガーデンシティでは庭をめぐるツアーに出かけました。スカイタワーがちょうど完成した頃で、中にも入りました。クライストチャーチでは、今はなき大聖堂の中に入ったり、オラナパークという動物園に行ったり、南極センターでは極寒体験ルームに入ったり。大聖堂のそばの聖杯型モニュメントはまだできる前です。その後、テカポ湖を訪れ、善き羊飼いの教会のあたりでは「白い雲がたなびく国」というイメージぴったりの写真が撮れました。ミルフォードサウンドクルーズでは絶景を堪能し、パラセーリングや蒸気船クルーズ、羊の毛刈りショーなどのアクティビティも体験しました。間欠泉で有名なロトルアも訪れました」
●Sさんからも、各地のクルーズの写真を中心に見せて頂きました。「去年、クイーンズエリザベス号でカナダのバンクーバーから西海岸沿いに進み、アラスカなどを巡りました。途中で観光列車に乗り、内陸へ行くこともありましたが、手つかずの原野がきれいでした。氷河は、昔から比べるとかなり減ったそうです。もう少し近くまで寄れるかと思ったら、危険なので遠くから鑑賞するだけでした。氷河の溶けた水でできる滝も見られました。船内ではさまざまなイベントが催されたり、豪華なティータイムもあり、二回ほどドレスアップの機会がありました。
 今年、オーストラリア~ニュージーランドを巡ったのはシルバー・ミューズ号で、バトラー付きのさらに豪華な船でした。シドニーのセントメアリーズ大聖堂を見た時は、郷ひろみの結婚式を思い出しました(笑)。タスマニアではケシ畑を見て複雑な思いにかられ、ハリネズミやタスマニアデビルといった動物も見ました。ニュージーランドのブラフでは各都市までの距離を示す標識がありました。ダニーデンでは、特徴的な風貌で有名な駅を訪れました。」
●最後に店長のあでりーが、ペンギンアート展(ペンギンに関する創作物を展示するイベント)用にまとめたアルバムを披露。「ファームステイでまずオークランドに滞在し、動物園でブルーペンギンという世界最小のペンギンを見ました。バスで学校に通っていた際、車内に表示が何もないため、降りるバス停は景色から判断するしかなく、合図はバスの前後に渡された紐を引くというもので、苦労しました。オークランドのスカイタワーは展望台の床がガラス張りになっていて、そこで写真を撮りました。学校のそばにアルバート・パークがありました。
 北島の北端近くにあるカイタイアでも、ファームステイをしました。90マイルビーチや、カウリツリーという木が有名です。ファームではクジャクとホロホロチョウを飼ってました。
 ダニーデンの博物館は、今はきれいになりましたが、当時はボロボロでした。キガシラペンギンの営巣地のペンギン・プレイスは、今とほとんど変わりません。そこでは保護されたペンギンの他、野生のキガシラペンギンやブルーペンギンを見ました。
 オアマルではブルーペンギンの保護施設に行き、その後はミルフォードサウンドのクルーズに出かけました。昨年訪れたのは春先でしたが、この時は秋だったので滝の水量が多く、迫力がありました。クライストチャーチでは南極センターに出かけました。子供専用の部屋があって、ペンギンのぬいぐるみだらけで楽しかったですが、去年行った時はなくなってました。ギズボーンは世界でいちばん最初に朝日が見られるところで、ミレニアムの時は観光で沸きましたが、その朝日を見に行きました。そこでは小さな女の子の相手をするのが仕事だったのですが、一緒に農場を歩いている時、牛に迫られて怖くて逃げました。」
【ニュージーランドについて】
●今回、全員にニュージーランド渡航体験があり、「ここ、私も行った!」「ここは今はこうなってるんだ」「昔はこうだったんだ」など、いろんな話で盛り上がりました。春名とあでりーは昨年、主に長距離バスとレンタカーで回りました。レンタカーは日本車で操作は全く同じ、左側通行なのでとても走りやすかったです。この時はペンギンと自然を見るために南島のさらに南側だけに絞って旅をしましたが、行くたびにいろんな楽しみ方ができる国だと思います。
●Uさん「ニュージーランドは箱庭的で、フィヨルドや数千メートル級の山もあれば、大きな町もあり、温泉もある。世界のあらゆる観光が小さい島に集中していて、すごくいいところだと思います。」
●「WWOOF(ウーフ」という団体があり、オーガニックファームを経営するホストの元に滞在して農場の手伝いをしながら滞在できる。時に作業がハードだったり、寝る場所に馬小屋を指定されたりすることもあるが、個人の契約だから気に入らなければすぐに出ていけばよい。あでりーの場合、中間業者を通したため、変なところは紹介されず、いいところばかりだった。
【旅の苦労話】
●とにかく旅のトラブルが多いというUさんが3つほど苦労話を披露してくださいました。その1:「長女がグアムで水疱瘡にかかったことがあり、夫と下の子は予定通りに帰国し、私と長女だけが残されて2~3週間ほど滞在しました。こういう時は親がうつになったりするけれど、私は言葉がわかるので現地で友達を作ったり、仕事の手伝いをしたりしてなんとかやり過ごしました。治療代の二十数万円は保険会社が直接払ってくれましたが、入院はできずホテルで静養したため、ホテル代が42万円かかり、のちに保険から戻ってはくるものの、まずは自前のクレジットカードで支払いました。これを機に、渡航時にはカードを必ず数枚、常備するようになりました。」
●同、その2:「関空からオーストラリアに行った時は、搭乗寸前に飛行機のトラブルのため再入国させられ、難波のホテルに移動させられました。翌日、関空ではなく成田から飛ぶことになり、新幹線で移動しましたが、名古屋のあたりを過ぎる時には虚しい思いに駆られました。オーストラリアに到着後、その飛行機は『重大インシデント』が発覚したらしく、もしその機に乗っていたら墜落していたかも、とほっとしました。とにかく、何かあったら空港のカウンターで列を作ること(自分達は代替便もすぐに取れたしホテル代や移動代など全てを航空会社が払ってくれたが、そうではない人もいた)、免税品を買わないこと(買うと後で払い戻しになったりして面倒なので)が大事。他にも旅のトラブルは本当に多く、飛行機の遅延やキャンセルばかりですが、おかげでトラブル対処の力はつきました。」
●同、その3「ロスアンゼルスで乗り換えのため8時間空港で待たされた際、ユニセフの募金に引っかかったことがあります。英語で『日本人ですか?』と聞かれて『Yes』と答えてしまい、現金がなければカードでもいい、(たくさんの名刺を見せられて)こんな人も募金してますよ、などと迫られ、仕方なく20ドルほど払いました。困ったように話しかけられたのでつい答えてしまったが、気をつけなければいけないと思いました。」
●副店長の春名も2つほど披露。その1:「アフリカからのトランジットで訪れたインドで入院したことがあります。アフリカを4週間回ったあとでインドに入り、その頃から体にかゆみを覚え、発疹が出始めました。その後、ヴァーラーナスィで沐浴したりするうちどんどんひどくなり、タージマハールを見るためアーグラーに到着したあたりで我慢できなくなりました。ちょうど宿のオーナーの奥さんが日本人だったので、『薬を買いたいから薬局はありますか』と尋ねると、僕の顔を見て『医者に行った方がいい』と言われ、連れていってもらいました。診察してもらうと、アフリカで飲んでいたマラリアの薬のせいだろう、長時間の点滴で血液をきれいにする必要がある、と言われて入院することに。がらんとした病室で一人、手の甲に点滴を刺されて2日ほど過ごしました。トイレに行くと洗面台にコオロギが一杯いて、気持ち悪かったです。運悪く、ちょうど海外旅行保険が切れてしまったあとで、支払いは自腹になりました。一日250ドルで、二泊三日だから750ドルを請求されたのですが、入院期間は48時間以内だから二日分ではないかと交渉し、さらに頭を下げて450ドルにしてもらいましたが、かなりの出費で痛かったです。」
●同、その2:「インドは本当に強烈でした。タクシーに乗ると、絶対に頼んだ場所に連れていかなくて、運転手がマージンをもらっている土産物屋や、旅行会社に連れて行かれてしまう。そんなことが続くうち、いつしか僕はタクシーの後部座席から運転席を蹴りながら、『ちゃんと連れていけよ!』と怒鳴ってました。普段、そんなことしたことはないんですが。他にも、道を歩くだけで絶え間なく話しかけられたり、狭い狭い道を大きな牛がやってきてぎりぎりのところを通っていったり。大変ですけど、面白くもありました。」
【まとめ】
今回の参加者さんは数多くの渡航体験をお持ちで、話は尽きず、2時間があっという間でした。ニュージーランドなど、互いに訪れた体験の違いを披露しあうのも興味深かったです。また、いろんな国を旅していると日本の良さがわかる、若い人は不便な国にどんどん行ったほうがいい、トイレは日本ほどきれいなところはない、などの共通見解も見られました。毎回、主催者がいちばん楽しんでいる気もしますが、参加者さん達が満足そうな顔で帰られるのを見ると、このイベントをやっていてよかったと思います。今回もありがとうございました!