イベント開催報告
◆2025.3.9 Keswick映画会
〈“推し”の俳優を語り尽くす!〉
〈“推し”の俳優を語り尽くす!〉
第2回の映画会は、「★“推し”の俳優を語り尽くす!」というテーマで開催しました。俳優の話に限らず、好きな映画の話を気ままに語り合い、予告編を一緒に見たりしながら、和やかな会となりました。
【紹介された映画】
※以下は、参加者さんの発言そのものではなく、要約・編集したものを会話風にまとめたものです。あらすじ等を主催者側で付加している部分もあります。
まずは副店長の春名から「劇場はあまり行かなくて、家で配信を中心に見ています。最近のハリウッド大作より昔の映画をよく見ます。あまり俳優目当てで見ることはないんですが、今回のテーマで考えると、新井浩文さんが好きです。『葛城事件』という映画は、一人の横暴な父親が家族を次々に破滅させていく内容でしたが、長男を演じたのが新井さんです。ふだんは暴力的な男を演じることが多いんですが、本作では父親に従順な良い子を演じて、それもまた格別に上手いんです。映画自体が無類に面白くて、化け物のような父親を元青春スターだった三浦友和が演じています。僕の好きなのは、この父親が家族全員と出かけた中華料理屋で、店長を叱り飛ばすシーン。父親がねちねちと店長に説教をするんですが、なんと、『今日の麻婆豆腐が辛すぎる』という理由なんです。バカバカしいけど、なんともいえないシーンです。彼には誰も逆らえず、周りがどんどん不幸になっていくのに自分は安穏と生きているという、ものすごく面白い映画です。共感はしませんけど(笑)。そのほか、通り魔殺人事件を起こしてしまう次男は、本作でブレイクした若葉竜也さんが演じています。
新井浩文は他の映画でもすごくて、『百円の恋』という映画では、得意の荒くれ者を演じています。主演は安藤サクラさんで、彼女が女性ボクサーを目指して奮起し、その恋人役で同じくボクサーなのが新井さんです。北野武作品の『アウトレイジ』でもチンピラをうまく演じましたし、とにかく本当に怖い人ってこういう人、というのが新井さんだと思います。昔の俳優でいうと、松田優作さんみたいな感じです」
イベント常連参加のTさん「そう言われるとわかりやすいですね。昔からヤクザ映画は人気ですが、自分ができないような無茶なことをやって理屈抜きにスカッとする、という感じでしょうか」
春名「ただ新井さん本人は、私生活で女性に暴力をふるったことが判明して逮捕・起訴され、裁判の末に懲役刑が確定しました。残念ながら芸能界からは消えてしまいましたが、僕はいつか復帰することを願っています」
今回初参加のSさん「コロナ以降、劇場に行ってなかったんですが、去年、久しぶりに劇場で見たのが『エイリアン ロムルス』でした」
春名「僕も劇場で見ました」
店長・あでりー「私は、劇場で大声を出しそうなので、やめておきました(笑)」
Tさん「そんなに怖い映画なんですか?」
Sさん「いえ、怖くはなかったです。ベタな展開でしたけど、まあ面白かったです」
春名「僕も、面白く見ました」
Sさん「私は邦画はあまり見なくて洋画中心なんですけど、好きな女優さんは、ジェニファー・アニストンです。映画だと、『なんちゃって家族』とか『モンスター上司』とか。ドラマの『フレンズ』を今さら見返したりしています」
春名「『フレンズ』でブレイクしましたもんね」
あでりー「どういうところに惹かれたんですか?」
Sさん「ちゃきちゃきしている感じが素敵だなあと思っています。テレビドラマで一番稼いだ女優として、ギネスブックに載っているそうです」
春名「いちばん主演っぽいのは、『なんちゃって家族』ですか」
Sさん「そうですね。あまり上品な映画ではないんですが(笑)」
春名「一時期、ブラット・ピットと結婚してましたね。当時は女優の中でもトップクラスの存在でした」
Tさん「私は最近テレビが壊れて、劇場にも行っていないので、なかなか映画に接する機会がなく、過去の思い出に浸っています。さっきふっと思い出したのが、『マディソン郡の橋』です。あれはいい映画でしたね。奥さんが夫の留守の間に不倫する話ですけど、いやらしくならないのが不思議でした。前回ご紹介した『ドクトル・ジバゴ』も不倫の話でしたけど。
そういえば、推しの女優さんでいえば、『カサブランカ』に出ていたイングリッド・バーグマンが好きですね。上品で、色気があって」
春名「代表作の『誰がために鐘は鳴る』の時は、ショートヘアで、可愛らしい感じでしたね」
あでりー「私は、俳優はあまり知らないんですが、昔の黒澤映画の『生きる』が大好きです。主演の志村喬さんは、演技もいいし、声もいいんです。この映画は、志村喬さん演じる市民課長の葬式のシーンから始まります。周りの人達が彼の思い出を話しながら、ストーリーが動いていきます。この映画に影響を受けて、『ゴッドファーザー』の結婚式から始まるオープニングが作られたそうです」
春名「葬式で部下や同僚が故人を偲び、我々も同じように頑張るぞ、と意気込むんですが、次の日になってみると何も変わっていない。そのことで、この課長がいかに偉大だったかがわかるという構図でした」
あでりー「この課長も、いろんな部署に掛け合ってお願いするんですが、その口調は以前と同様に穏やかで淡々としているんです。それでもあきらめずに食い下がって、ついに大きな仕事を成し遂げます。普通は生き生きしてはつらつとしたキャラクターに惹かれるんですが、こういう人に惹かれたのは初めてでした」
Tさん「私の夫も市役所に勤めていて、退職する前の最後の仕事の前に見た映画でしたから、影響を受けたかもしれません。同じようにみんなが反対していた仕事をして、最後の日まで残業をして帰ってきました。おかげで廃止になる看護学校が存続になったんです」
あでりー「岡崎には県立と市立の看護学校があったんですが、県立は数年前に廃校になりましたから、市立がその時に廃校になっていたら、いま岡崎に看護学校はゼロということだったんです」
春名「僕からは、アメリカの古い役者さんなんですが、フレッド・アステアをご紹介します。昔のミュージカルスターで、めちゃくちゃ踊りが上手いんです。最近のミュージカルはあまり踊りの要素が大きくないですが、昔のミュージカルは踊りが重要でした。アステアの後に出てきたスターが、『雨に唄えば』などで有名なジーン・ケリーで、日本ではそちらのほうが知名度は高いかもしれません」
Tさん「昔の映画はいいですね。私はアップルTVを契約しているんですが、最近の映画を見ると目が回ってしまいます」
あでりー「私は、ドキュメンタリー映画の『人生フルーツ』が大好きです。春日井ニュータウンを設計した男性とその奥様の穏やかな暮らしを描いた話です。男性はもう90歳くらいで、定年退職した後もいつ仕事が来てもいいように準備をしていました。亡くなる何ヶ月か前に九州かどこかからオファーが来て、そしたらすぐに計画書を提出して、その建物を作っている途中で亡くなられました。映画の最後のほうには、亡くなったシーンも出てきます。そういえば、ナレーションを担当した樹木希林さんも好きな役者さんです」
春名「樹木希林さんでいうと、『万引き家族』も良かったですね」
あでりー「あの映画の頃はもうガンが全身に転移していたのに、演技を続けていたんですよね」
春名「入れ歯をわざと外して、老人の雰囲気を出していました」
あでりー「是枝裕和監督の映画によく出ていて、どの役も素晴らしいですね」
春名「僕は、是枝監督作の中だと『歩いても歩いても』がいちばん好きでした。あの映画の樹木希林さんは、エグい感じが凄かったです。長男の結婚相手が夫を死別で亡くした女性だったんですが、樹木希林扮する母親は影でこっそり、『死に別れは気持ちが残っているから良くない』なんてことを言うんです。それから彼女は、次男を海難事故で亡くしています。小さな子供を助けようとして溺れて亡くなったんですが、その子供が毎年、あいさつに来るんです。もう15年もたって就職して大人になっているので、周囲は『もう来てもらわなくてもいいんじゃないか』と諭すんですが、彼女は『許してたまるもんですか』なんて言います。そういう負の面も抱えた女性をうまく演じています」
Tさん「人間、いろんなものを心の中に持っていますからね」
春名「完全な善人も悪人もいないですし」
Tさん「それを映画で代弁して発散しているんでしょうかね」
春名「そういえばさっきふと思い出したんですが、イタリア人のクラウディア・カルディナーレという女優さんがけっこう好きです。アメリカのマリリン・モンローがM・M、フランスのブリジット・バルドーがB・B、そしてイタリアのC・Cがクラウディア・カルディナーレとして人気がありました。『山猫』という映画でアラン・ドロンと共演しました。内容はすっかり忘れたんですが、シチリア島が舞台の大河ドラマでした」
あでりー「私は『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』が好きです。ドキュメンタリーなんですけど、一つの映画の中に3~4人くらいの人物が登場して、それぞれの人生観を引き出していく作品です。通常の劇場公開ではなく、有志の人が自主上映会を開催する形で上映されます。私達も以前、名古屋で数回見に行きました。すごく心に響く作品です」
春名「僕は第三番がいちばん好きで、写真家の星野道夫さんがメインの登場人物になります。撮影が決まってから亡くなってしまいましたが、違う形で作品化されました。作中では他にも、古代カヌーに乗り、近代技術を使わずにハワイからタヒチまでの5000キロを航行したナイノア・トンプソンが出てきます。星野さんと直接の関係はないですが、なんとなくリンクして、一つの作品になっているんですね。龍村仁さんが監督です。そういえば、監督で作品を選ぶことってありませんか?」
あでりー「『選挙』を撮った想田和弘さんはいいですね」
春名「想田さんもドキュメンタリー映画を撮る人ですが、BGMやテロップは無しで、ただ映像を流すだけなんです」
あでりー「それでもなぜか惹きつけられて、飽きずに見られますね」
春名「『選挙』では、補欠選挙に出た山内さんという人を追っかけるんですが、彼がいろんな人に怒られっぱなしなんです。いっぽう、一生懸命活動しているそばでおじさんがバナナを食べてたりなど、とにかく笑えるんですが、見てもらわないとなかなか伝わらないです」
あでりー「精神病院を扱った『精神』も良かったです。普通は入れない世界を延々と映すだけなのに、見入ってしまうんです」
春名「普通はタブーとされる世界で、映すにしても顔を隠したりするのに、そういう処理は一切なしで、名前も出してました。だから妙に神聖視したり怖がったりすることなく、身近に感じられるのかもしれません。そういう、独特な映画を撮る人です。他にも『演劇』という作品があって、前後編合わせて5時間という大作です。平田オリザさんという演出家をずっと追いかけるんですが、5時間があっという間に感じられるほど面白かったです」
あでりー「平田オリザさん自身が博識だし、面白い人ですよね」
春名「演出方法が独特なんです。会話のタイミングや登場のタイミングを秒単位で細かく調整してリハーサルを繰り返して、それが完成すると、全員が自然に動いているように見える芝居ができあがるんです。その練習風景を見ているだけで抜群に面白いです」
あでりー「平田さんは映画の中で、外国に比べ日本は芸術に対する補助が少ないとおっしゃっていて、そうした国ごとの文化の違いも伺えて、おもしろかったです」
Tさん「名古屋で見たフリーダ・カーロの映画は、色がメキシコの鮮やかな色で、土は茶色で、絵画的でした」
あでりー「フリーダ・カーロは、メキシコの有名な女性画家ですね。私はその映画は見たことないんですが、情熱的な作品なんでしょうね」
Tさん「劇場が、名古屋駅から少し歩いたあたりにありました」
春名「ゴールド劇場かシルバー劇場じゃないでしょうか。名古屋には名演小劇場やシネマテークなど、ミニシアターがたくさんありましたが、けっこうなくなってしまいました。刈谷には今も刈谷日劇という劇場があって、マイナーな映画や昔の映画を上映しています。行くと面白いですよ。昭和の雰囲気で、こじんまりしていて」
あでりー「映画館に向かうまでの階段も、昔の昭和の雰囲気で、いいんですよ」
新井浩文は他の映画でもすごくて、『百円の恋』という映画では、得意の荒くれ者を演じています。主演は安藤サクラさんで、彼女が女性ボクサーを目指して奮起し、その恋人役で同じくボクサーなのが新井さんです。北野武作品の『アウトレイジ』でもチンピラをうまく演じましたし、とにかく本当に怖い人ってこういう人、というのが新井さんだと思います。昔の俳優でいうと、松田優作さんみたいな感じです」
イベント常連参加のTさん「そう言われるとわかりやすいですね。昔からヤクザ映画は人気ですが、自分ができないような無茶なことをやって理屈抜きにスカッとする、という感じでしょうか」
春名「ただ新井さん本人は、私生活で女性に暴力をふるったことが判明して逮捕・起訴され、裁判の末に懲役刑が確定しました。残念ながら芸能界からは消えてしまいましたが、僕はいつか復帰することを願っています」
今回初参加のSさん「コロナ以降、劇場に行ってなかったんですが、去年、久しぶりに劇場で見たのが『エイリアン ロムルス』でした」
春名「僕も劇場で見ました」
店長・あでりー「私は、劇場で大声を出しそうなので、やめておきました(笑)」
Tさん「そんなに怖い映画なんですか?」
Sさん「いえ、怖くはなかったです。ベタな展開でしたけど、まあ面白かったです」
春名「僕も、面白く見ました」
Sさん「私は邦画はあまり見なくて洋画中心なんですけど、好きな女優さんは、ジェニファー・アニストンです。映画だと、『なんちゃって家族』とか『モンスター上司』とか。ドラマの『フレンズ』を今さら見返したりしています」
春名「『フレンズ』でブレイクしましたもんね」
あでりー「どういうところに惹かれたんですか?」
Sさん「ちゃきちゃきしている感じが素敵だなあと思っています。テレビドラマで一番稼いだ女優として、ギネスブックに載っているそうです」
春名「いちばん主演っぽいのは、『なんちゃって家族』ですか」
Sさん「そうですね。あまり上品な映画ではないんですが(笑)」
春名「一時期、ブラット・ピットと結婚してましたね。当時は女優の中でもトップクラスの存在でした」
Tさん「私は最近テレビが壊れて、劇場にも行っていないので、なかなか映画に接する機会がなく、過去の思い出に浸っています。さっきふっと思い出したのが、『マディソン郡の橋』です。あれはいい映画でしたね。奥さんが夫の留守の間に不倫する話ですけど、いやらしくならないのが不思議でした。前回ご紹介した『ドクトル・ジバゴ』も不倫の話でしたけど。
そういえば、推しの女優さんでいえば、『カサブランカ』に出ていたイングリッド・バーグマンが好きですね。上品で、色気があって」
春名「代表作の『誰がために鐘は鳴る』の時は、ショートヘアで、可愛らしい感じでしたね」
あでりー「私は、俳優はあまり知らないんですが、昔の黒澤映画の『生きる』が大好きです。主演の志村喬さんは、演技もいいし、声もいいんです。この映画は、志村喬さん演じる市民課長の葬式のシーンから始まります。周りの人達が彼の思い出を話しながら、ストーリーが動いていきます。この映画に影響を受けて、『ゴッドファーザー』の結婚式から始まるオープニングが作られたそうです」
春名「葬式で部下や同僚が故人を偲び、我々も同じように頑張るぞ、と意気込むんですが、次の日になってみると何も変わっていない。そのことで、この課長がいかに偉大だったかがわかるという構図でした」
あでりー「この課長も、いろんな部署に掛け合ってお願いするんですが、その口調は以前と同様に穏やかで淡々としているんです。それでもあきらめずに食い下がって、ついに大きな仕事を成し遂げます。普通は生き生きしてはつらつとしたキャラクターに惹かれるんですが、こういう人に惹かれたのは初めてでした」
Tさん「私の夫も市役所に勤めていて、退職する前の最後の仕事の前に見た映画でしたから、影響を受けたかもしれません。同じようにみんなが反対していた仕事をして、最後の日まで残業をして帰ってきました。おかげで廃止になる看護学校が存続になったんです」
あでりー「岡崎には県立と市立の看護学校があったんですが、県立は数年前に廃校になりましたから、市立がその時に廃校になっていたら、いま岡崎に看護学校はゼロということだったんです」
春名「僕からは、アメリカの古い役者さんなんですが、フレッド・アステアをご紹介します。昔のミュージカルスターで、めちゃくちゃ踊りが上手いんです。最近のミュージカルはあまり踊りの要素が大きくないですが、昔のミュージカルは踊りが重要でした。アステアの後に出てきたスターが、『雨に唄えば』などで有名なジーン・ケリーで、日本ではそちらのほうが知名度は高いかもしれません」
Tさん「昔の映画はいいですね。私はアップルTVを契約しているんですが、最近の映画を見ると目が回ってしまいます」
あでりー「私は、ドキュメンタリー映画の『人生フルーツ』が大好きです。春日井ニュータウンを設計した男性とその奥様の穏やかな暮らしを描いた話です。男性はもう90歳くらいで、定年退職した後もいつ仕事が来てもいいように準備をしていました。亡くなる何ヶ月か前に九州かどこかからオファーが来て、そしたらすぐに計画書を提出して、その建物を作っている途中で亡くなられました。映画の最後のほうには、亡くなったシーンも出てきます。そういえば、ナレーションを担当した樹木希林さんも好きな役者さんです」
春名「樹木希林さんでいうと、『万引き家族』も良かったですね」
あでりー「あの映画の頃はもうガンが全身に転移していたのに、演技を続けていたんですよね」
春名「入れ歯をわざと外して、老人の雰囲気を出していました」
あでりー「是枝裕和監督の映画によく出ていて、どの役も素晴らしいですね」
春名「僕は、是枝監督作の中だと『歩いても歩いても』がいちばん好きでした。あの映画の樹木希林さんは、エグい感じが凄かったです。長男の結婚相手が夫を死別で亡くした女性だったんですが、樹木希林扮する母親は影でこっそり、『死に別れは気持ちが残っているから良くない』なんてことを言うんです。それから彼女は、次男を海難事故で亡くしています。小さな子供を助けようとして溺れて亡くなったんですが、その子供が毎年、あいさつに来るんです。もう15年もたって就職して大人になっているので、周囲は『もう来てもらわなくてもいいんじゃないか』と諭すんですが、彼女は『許してたまるもんですか』なんて言います。そういう負の面も抱えた女性をうまく演じています」
Tさん「人間、いろんなものを心の中に持っていますからね」
春名「完全な善人も悪人もいないですし」
Tさん「それを映画で代弁して発散しているんでしょうかね」
春名「そういえばさっきふと思い出したんですが、イタリア人のクラウディア・カルディナーレという女優さんがけっこう好きです。アメリカのマリリン・モンローがM・M、フランスのブリジット・バルドーがB・B、そしてイタリアのC・Cがクラウディア・カルディナーレとして人気がありました。『山猫』という映画でアラン・ドロンと共演しました。内容はすっかり忘れたんですが、シチリア島が舞台の大河ドラマでした」
あでりー「私は『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』が好きです。ドキュメンタリーなんですけど、一つの映画の中に3~4人くらいの人物が登場して、それぞれの人生観を引き出していく作品です。通常の劇場公開ではなく、有志の人が自主上映会を開催する形で上映されます。私達も以前、名古屋で数回見に行きました。すごく心に響く作品です」
春名「僕は第三番がいちばん好きで、写真家の星野道夫さんがメインの登場人物になります。撮影が決まってから亡くなってしまいましたが、違う形で作品化されました。作中では他にも、古代カヌーに乗り、近代技術を使わずにハワイからタヒチまでの5000キロを航行したナイノア・トンプソンが出てきます。星野さんと直接の関係はないですが、なんとなくリンクして、一つの作品になっているんですね。龍村仁さんが監督です。そういえば、監督で作品を選ぶことってありませんか?」
あでりー「『選挙』を撮った想田和弘さんはいいですね」
春名「想田さんもドキュメンタリー映画を撮る人ですが、BGMやテロップは無しで、ただ映像を流すだけなんです」
あでりー「それでもなぜか惹きつけられて、飽きずに見られますね」
春名「『選挙』では、補欠選挙に出た山内さんという人を追っかけるんですが、彼がいろんな人に怒られっぱなしなんです。いっぽう、一生懸命活動しているそばでおじさんがバナナを食べてたりなど、とにかく笑えるんですが、見てもらわないとなかなか伝わらないです」
あでりー「精神病院を扱った『精神』も良かったです。普通は入れない世界を延々と映すだけなのに、見入ってしまうんです」
春名「普通はタブーとされる世界で、映すにしても顔を隠したりするのに、そういう処理は一切なしで、名前も出してました。だから妙に神聖視したり怖がったりすることなく、身近に感じられるのかもしれません。そういう、独特な映画を撮る人です。他にも『演劇』という作品があって、前後編合わせて5時間という大作です。平田オリザさんという演出家をずっと追いかけるんですが、5時間があっという間に感じられるほど面白かったです」
あでりー「平田オリザさん自身が博識だし、面白い人ですよね」
春名「演出方法が独特なんです。会話のタイミングや登場のタイミングを秒単位で細かく調整してリハーサルを繰り返して、それが完成すると、全員が自然に動いているように見える芝居ができあがるんです。その練習風景を見ているだけで抜群に面白いです」
あでりー「平田さんは映画の中で、外国に比べ日本は芸術に対する補助が少ないとおっしゃっていて、そうした国ごとの文化の違いも伺えて、おもしろかったです」
Tさん「名古屋で見たフリーダ・カーロの映画は、色がメキシコの鮮やかな色で、土は茶色で、絵画的でした」
あでりー「フリーダ・カーロは、メキシコの有名な女性画家ですね。私はその映画は見たことないんですが、情熱的な作品なんでしょうね」
Tさん「劇場が、名古屋駅から少し歩いたあたりにありました」
春名「ゴールド劇場かシルバー劇場じゃないでしょうか。名古屋には名演小劇場やシネマテークなど、ミニシアターがたくさんありましたが、けっこうなくなってしまいました。刈谷には今も刈谷日劇という劇場があって、マイナーな映画や昔の映画を上映しています。行くと面白いですよ。昭和の雰囲気で、こじんまりしていて」
あでりー「映画館に向かうまでの階段も、昔の昭和の雰囲気で、いいんですよ」