イベント開催報告
◆2025.10.28 Keswickテーマトーク
〈「結婚」をテーマに語り合いましょう〉
〈「結婚」をテーマに語り合いましょう〉
イベント常連参加のHさん、初参加のFさんと共に4名で語り合いました。恋愛がしづらくなった現代では、恋人がいる人のほうが少なく、必然的に結婚率も下がり、子供の数も減っています。ただ、昔は昔で難しいこともあったはずで、必ずしも昔のほうがよかったとも言い切れません。結婚せずにずっと一人で生きていく選択はもちろんあって当然ですが、実際に年を取ってみると、難しい面もあります。今回、各年代ごとの意見を交わすことができ、考え方や習慣の違いも確認することができました。とても有意義なお話ができたと思っています。
【結婚のきっかけ】
春名「僕ら二人の話をすると、今年の11月でちょうど入籍20周年になります。二人の出会いは、僕が大学卒業後から12年ほど勤めた会社を退職した翌年でした。ペンギンアート展という展示会の店番を僕が務め、そこにサポートで来てくれたのが妻でした。二年ほど付き合い、入籍をしました。結婚を決めたのは、付き合った年数というより、タイミングだと思いますね」
あでりー「知り合いの高齢の方で、すぐに結婚する予定はなかったのが、男性が住んでいた寮を何かの都合で出ないといけなくなり、そこからトントン拍子に話が進んで3ヶ月ほどで結婚された人もいます」
Hさん「私もどこかで聞きましたが、そういうトントン拍子が幸せになるカップルのジンクスらしいです。私も、出会って一年未満で結婚しました」
あでりー「私の姉も、親戚のおじさんから『お前は一年以内に結婚する』と言われ、確かに出会ってトントン拍子で結婚に至りました」
春名「そういう場合でも、焦って結婚したわけではなく、なにかその方向に進む不思議な勢いや出来事の重なりがあるんですよね」
Hさん「とにかく、結婚という決断を若い男女が短い付き合いで決めるのだから、難しいです。迷って当たり前だと思います」
あでりー「知り合いの高齢の方で、すぐに結婚する予定はなかったのが、男性が住んでいた寮を何かの都合で出ないといけなくなり、そこからトントン拍子に話が進んで3ヶ月ほどで結婚された人もいます」
Hさん「私もどこかで聞きましたが、そういうトントン拍子が幸せになるカップルのジンクスらしいです。私も、出会って一年未満で結婚しました」
あでりー「私の姉も、親戚のおじさんから『お前は一年以内に結婚する』と言われ、確かに出会ってトントン拍子で結婚に至りました」
春名「そういう場合でも、焦って結婚したわけではなく、なにかその方向に進む不思議な勢いや出来事の重なりがあるんですよね」
Hさん「とにかく、結婚という決断を若い男女が短い付き合いで決めるのだから、難しいです。迷って当たり前だと思います」
【マッチングアプリと相性】
春名「僕は、結婚のきっかけが恋愛だろうがお見合いだろうが、のちのちうまくいくかどうかにそれほど関係ない気がします。今は、マッチングアプリ全盛ですよね」
Fさん「私も利用しています」
Hさん「うちは上の娘も下の娘もやってますよ。だって、出会いがないですから」
あでりー「マッチングアプリが出始めた当初は、利用していても隠す人が多かったですが、今はそれもなくなりましたね」
春名「Fさんは、マッチングアプリで知り合った人と、実際に会うことはあるんですか?」
Fさん「はい、会いました。もっと詐欺的な人がいるのかと思っていましたが、意外とそうでもなかったです。6人くらいと会って、みんな時間も守るし、ちゃんとした人ばかりでした。その中から厳選して今の人と付き合っています。もし別れても、またマッチングアプリで探せばいいかなと思っています。個人的には、28歳までに結婚するのが目標です」
Hさん「身分証明を提出しないところは怖いですね。うちは次女もマッチングアプリを利用していますが、同じアプリでもなぜかとんでもない人ばかりに当たります。ダメ男が好きなせいもあるんですが(笑)」
春名「Fさんは、結婚したいという気持ちはあるんでしょうか?」
Fさん「人生で一回は結婚したいと思っています」
春名「今のお相手とは、一緒に旅行とか行ったりします?」
Fさん「行きますね、京都とか横浜とか。食の好みが合うし、楽しかったですね」
春名「食べ物以外でも、旅先での興味は一致するんですか?」
Fさん「私がけっこう、相手に合わせたいタイプなので、すごく嫌なことでなければ合わせます」
あでりー「これも聞いた話なんですが、初めてデートに行ったカップルで、男性が放任主義だったんです。それで、一緒に映画を見に行ったんですが、見たい映画が違うから別々で見たらしいです。それはさすがに嫌だなと思いました。でも私達も、海外旅行先で別行動をしたりします。割と面白いですよ」
春名「旅先で、一週間あったら一日は別行動にして、その日の終わりにお互いの行動を伝え合うという感じで、けっこう面白いですよ。
まあ、結婚でも何でも、恐れずに何でもやってみればいいと思います。失敗するかもしれないから結婚しない、という考えはありますが、してみないとわからないこともあります。離婚したらしたで、それを糧に次のいい結婚に結びつけたり、結婚せずに人生を切り開いていってもいいですし。でも、相性ってほんとに難しくて、趣味や好みが合うからうまくいくかというと、好みの中の肝心な部分が違っていたりします」
あでりー「好きなことより、嫌いなことが一緒だとうまくいく気がします。好きなことはお互い勝手にやっていればいいので気にならないですが、自分が嫌なことを相手が喜んでいたりすると許せなくなります」
Hさん「それは心当たりがありますね」
あでりー「人ってどこに好みがあるかわからなくて、ある既婚者の男性から聞いた話だと、気を利かせて布団を敷いたんですが、掛け布団の裏表が逆だったらしいんです。でも奥さんにとってはそこが許せないポイントだったらしく、ご主人のほうはそんなことを気にされることがショックで、それからぎくしゃくしてしまったといいます」
春名「一方にとってどうでもいいことが、もう一方にはすごく大事なことってありますよね。しかも、その逆もあったりしますから、お互いに責められません。結婚は、愛情とは別に生活があるから、お互いにうまくやっていく必要はありますね」
Hさん「相手のことで何か気に障ることがあっても、あまり強く攻撃しないことも重要ですね」
春名「そういう細かい調整や寛容な心構えはお互いに必要ですね」
あでりー「それぞれにとっての〈当たり前〉は違うわけだから、二人で自分達なりのルールを作っていく必要があります。それで、自分が本当に嫌なことは伝えたほうがいいと思います」
春名「夫婦って、何も言わなくても通じ合う、みたいに言われますけど、ぜんぜんそんなことはなくて、言いたいことは言葉で伝えないと絶対だめだと思います」
あでりー「それを伝えたら嫌われるかもとか、受け入れられなかったらどうしようという不安はありますが、言えばあっさりと通じることもあります。そこは相手を信用することも必要ですね。若い頃に勤めていた会社によく来るお客さんで理想的な御夫婦がいて、当時もう60~70代だったんですけど、毎晩寝る前に、相手の良くなかった点を指摘しあうそうです。それで消化して次の日はもう忘れて仲良くなろう、ということで、そういう風になりたいですが、なかなか難しいです」
Hさん「うちは、生活リズムがかなり違いますが、その割に旅行に二人で行ったりして、いい距離感だと思っています」
春名「夫婦は本当にそれぞれで、すごく仲良い夫婦がいたとして、同じように仲良くなりたいと思って同じようにやっても、うまくいくとは限らなくて、自分達なりの着地点、落とし所を見つける必要があると思います」
Hさん「うちは、一緒にいる時間があるからといってずっと一緒にいるより、2日あったら半日一緒、くらいがちょうどいいです」
春名「一人きりになる時間は誰でもとったほうがいいと思います。僕もそれは必要です」
Fさん「私も利用しています」
Hさん「うちは上の娘も下の娘もやってますよ。だって、出会いがないですから」
あでりー「マッチングアプリが出始めた当初は、利用していても隠す人が多かったですが、今はそれもなくなりましたね」
春名「Fさんは、マッチングアプリで知り合った人と、実際に会うことはあるんですか?」
Fさん「はい、会いました。もっと詐欺的な人がいるのかと思っていましたが、意外とそうでもなかったです。6人くらいと会って、みんな時間も守るし、ちゃんとした人ばかりでした。その中から厳選して今の人と付き合っています。もし別れても、またマッチングアプリで探せばいいかなと思っています。個人的には、28歳までに結婚するのが目標です」
Hさん「身分証明を提出しないところは怖いですね。うちは次女もマッチングアプリを利用していますが、同じアプリでもなぜかとんでもない人ばかりに当たります。ダメ男が好きなせいもあるんですが(笑)」
春名「Fさんは、結婚したいという気持ちはあるんでしょうか?」
Fさん「人生で一回は結婚したいと思っています」
春名「今のお相手とは、一緒に旅行とか行ったりします?」
Fさん「行きますね、京都とか横浜とか。食の好みが合うし、楽しかったですね」
春名「食べ物以外でも、旅先での興味は一致するんですか?」
Fさん「私がけっこう、相手に合わせたいタイプなので、すごく嫌なことでなければ合わせます」
あでりー「これも聞いた話なんですが、初めてデートに行ったカップルで、男性が放任主義だったんです。それで、一緒に映画を見に行ったんですが、見たい映画が違うから別々で見たらしいです。それはさすがに嫌だなと思いました。でも私達も、海外旅行先で別行動をしたりします。割と面白いですよ」
春名「旅先で、一週間あったら一日は別行動にして、その日の終わりにお互いの行動を伝え合うという感じで、けっこう面白いですよ。
まあ、結婚でも何でも、恐れずに何でもやってみればいいと思います。失敗するかもしれないから結婚しない、という考えはありますが、してみないとわからないこともあります。離婚したらしたで、それを糧に次のいい結婚に結びつけたり、結婚せずに人生を切り開いていってもいいですし。でも、相性ってほんとに難しくて、趣味や好みが合うからうまくいくかというと、好みの中の肝心な部分が違っていたりします」
あでりー「好きなことより、嫌いなことが一緒だとうまくいく気がします。好きなことはお互い勝手にやっていればいいので気にならないですが、自分が嫌なことを相手が喜んでいたりすると許せなくなります」
Hさん「それは心当たりがありますね」
あでりー「人ってどこに好みがあるかわからなくて、ある既婚者の男性から聞いた話だと、気を利かせて布団を敷いたんですが、掛け布団の裏表が逆だったらしいんです。でも奥さんにとってはそこが許せないポイントだったらしく、ご主人のほうはそんなことを気にされることがショックで、それからぎくしゃくしてしまったといいます」
春名「一方にとってどうでもいいことが、もう一方にはすごく大事なことってありますよね。しかも、その逆もあったりしますから、お互いに責められません。結婚は、愛情とは別に生活があるから、お互いにうまくやっていく必要はありますね」
Hさん「相手のことで何か気に障ることがあっても、あまり強く攻撃しないことも重要ですね」
春名「そういう細かい調整や寛容な心構えはお互いに必要ですね」
あでりー「それぞれにとっての〈当たり前〉は違うわけだから、二人で自分達なりのルールを作っていく必要があります。それで、自分が本当に嫌なことは伝えたほうがいいと思います」
春名「夫婦って、何も言わなくても通じ合う、みたいに言われますけど、ぜんぜんそんなことはなくて、言いたいことは言葉で伝えないと絶対だめだと思います」
あでりー「それを伝えたら嫌われるかもとか、受け入れられなかったらどうしようという不安はありますが、言えばあっさりと通じることもあります。そこは相手を信用することも必要ですね。若い頃に勤めていた会社によく来るお客さんで理想的な御夫婦がいて、当時もう60~70代だったんですけど、毎晩寝る前に、相手の良くなかった点を指摘しあうそうです。それで消化して次の日はもう忘れて仲良くなろう、ということで、そういう風になりたいですが、なかなか難しいです」
Hさん「うちは、生活リズムがかなり違いますが、その割に旅行に二人で行ったりして、いい距離感だと思っています」
春名「夫婦は本当にそれぞれで、すごく仲良い夫婦がいたとして、同じように仲良くなりたいと思って同じようにやっても、うまくいくとは限らなくて、自分達なりの着地点、落とし所を見つける必要があると思います」
Hさん「うちは、一緒にいる時間があるからといってずっと一緒にいるより、2日あったら半日一緒、くらいがちょうどいいです」
春名「一人きりになる時間は誰でもとったほうがいいと思います。僕もそれは必要です」
【昔と今の違い】
春名「僕が若かった頃は恋愛至上主義で、相手がいる人が勝ち組という時代でした。それでしんどい思いもしましたが、今はその反動が来ている気がします。逆に、相手がいてうまくいっていると仲間から疎ましがられたり。聞いた話ですが、クリスマスに彼女とデートしている男性が、それを回りに知られないよう、デートの途中でSNSに『今日も一人ぼっちだ』みたいなことを書き込むという、非常にねじくれた状況になっています。前回のテーマトークでハラスメントの話になったんですが、今は社内恋愛なんて絶対にできないですよね。ちょっと声をかけたり誘ったりしただけで、セクハラだと言われてしまう」
Hさん「私達の若い頃なんて、毎日がセクハラでした。今は、結婚しているかどうかも聞いてはいけない時代です」
春名「相手がいるかどうかは、重要な情報なのにね。セクハラももちろん、体を触ったりすることは絶対に許されませんが、いろんな規制が少しいき過ぎている気がします」
あでりー「最近だと、女性社員が男性社員から〈ちゃん付け〉で呼ばれたと訴えて、男性が有罪になりました」
Fさん「男性か女性かも、聞いちゃいけないんです」
Hさん「仕事で学校に行くことがあるんですが、男子か女子かわからない子が、本当にいます。それで傷ついている子もいるらしいので、しっかり事前に聞いて、呼び方なども考えておかないといけません」
春名「今の社会は、結婚も難しいですが、子育ても大変ですよね。コスト的に考えると、もう無理、となってしまいます」
Hさん「私達も、もう子ども達は大きくなりましたが、昔を振り返ると、あの時どうやって生きてたの、と思うことがあります」
春名「それは僕の親もよく言います。人間は、どういう状況になってもなんとかやっていくもんだなと思います」
Hさん「昔は、女性は結婚に関する縛りがいろいろありました。女性は三十歳までに結婚という意識がすごくあって、4年制大学卒業だと頭が良さそうに見られるから短大のほうがいいとか、会社でどれだけ活躍していても、結婚したら会社を辞めないといけないとか。でも私は、もし一人になったら生きていけないと思って、英会話を習い始めました」
あでりー「今は今で、情報があって参考にできるんですが、情報がありすぎて困ると思います」
Hさん「これからは、夫婦や家族ではなく、友達同士が助け合って生きていくようなコミュニティも広がっていくのではないでしょうか」
春名「結婚でも他のことにおいても、100%の確信を持ってやれることなんてないから、どこかで『えいやっ』と思い切って飛び込むしかないと思います」
Hさん「私達の若い頃なんて、毎日がセクハラでした。今は、結婚しているかどうかも聞いてはいけない時代です」
春名「相手がいるかどうかは、重要な情報なのにね。セクハラももちろん、体を触ったりすることは絶対に許されませんが、いろんな規制が少しいき過ぎている気がします」
あでりー「最近だと、女性社員が男性社員から〈ちゃん付け〉で呼ばれたと訴えて、男性が有罪になりました」
Fさん「男性か女性かも、聞いちゃいけないんです」
Hさん「仕事で学校に行くことがあるんですが、男子か女子かわからない子が、本当にいます。それで傷ついている子もいるらしいので、しっかり事前に聞いて、呼び方なども考えておかないといけません」
春名「今の社会は、結婚も難しいですが、子育ても大変ですよね。コスト的に考えると、もう無理、となってしまいます」
Hさん「私達も、もう子ども達は大きくなりましたが、昔を振り返ると、あの時どうやって生きてたの、と思うことがあります」
春名「それは僕の親もよく言います。人間は、どういう状況になってもなんとかやっていくもんだなと思います」
Hさん「昔は、女性は結婚に関する縛りがいろいろありました。女性は三十歳までに結婚という意識がすごくあって、4年制大学卒業だと頭が良さそうに見られるから短大のほうがいいとか、会社でどれだけ活躍していても、結婚したら会社を辞めないといけないとか。でも私は、もし一人になったら生きていけないと思って、英会話を習い始めました」
あでりー「今は今で、情報があって参考にできるんですが、情報がありすぎて困ると思います」
Hさん「これからは、夫婦や家族ではなく、友達同士が助け合って生きていくようなコミュニティも広がっていくのではないでしょうか」
春名「結婚でも他のことにおいても、100%の確信を持ってやれることなんてないから、どこかで『えいやっ』と思い切って飛び込むしかないと思います」
【結婚と幸せ】
春名「結婚は絶対しなきゃいけないこともないし、僕も結婚したのは38歳でしたが、別に一人なら一人のままでいいと思っていました。人生とは無数の選択の連続だから、僕は常に、より楽しいほうを選んできたんです。だから、結婚しないよりもしたほうが楽しいと思ったから結婚をしましたし、その後もなるべく楽しいほうを選んできて、結果として入籍20年たった今、二人でいて毎日楽しいです」
Hさん「まわりには、結婚して幸せという人は本当に少なくて、逆に結婚して地獄という人ばかりです」
春名「Fさんも結婚した人から嫌な話もたくさん聞くと思いますが、それだけではないとわかってほしいです」
Hさん「私も、結婚して楽しいですよ。ただ、自分だけに軸を置いて考えると、今の時代だったら女性がいろんな事業に進出できるので、結婚せずに、男性女性かぎらず、仕事のパートナーと生きていたかもしれません。でも昔は、結婚してないと欠陥品みたいな扱いでした。
最近、大学院の研究で結婚に関するインタビューを家族で受けたんです。それを見ると夫は、子育てなどで、私(Hさん)でなければ乗り切れなかった、と書いてくれていて、ああ良かった、と思いました。もし弱い妻だったら乗り切れなかった、と思ってくれてたんだって。それを読んで安心しました」
春名「何十年続いている夫婦だって、途中にはいろんなことがありながら、それを乗り越えてきているんだと思います」
あでりー「今が大変でも、そのあと良くなる可能性もあるんですよね。私の友人の両親も途中で険悪になったこともありながら、友人がディズニー好きということもあって、みんなで仲良く行くようになったらしいです」
春名「困難があることで、逆に絆が深くなることもありますね。Fさんは、今の相手と結婚してうまくやっていけると思いますか?」
Fさん「私の仕事がアルバイトなので、離婚して一人になったらどうなるのかなど、何が正解かと思って悩んでしまいます」
Hさん「身近で泥沼状態の夫婦を見たりすると、影響されますね。いい勉強にもなりますが」
春名「ただ、なんでもそうですが、『こうなったらどうしよう』という思いはキリがないので、前向きに楽天的に考えていくしかないと思っています。さっきも話したとおり、僕は楽しいほう楽しいほうと選んできましたが、それは享楽的という意味では全くなくて、楽しいほうを選んでいくと結果としてまじめに何かをやっていくことになります。それが一番楽しくて、一番うまくいくと思います。僕は他の人を見ていて、楽しい道と楽しくない道があったら、なぜか自ら楽しくない道を選ぶ人が多いなと感じています。それは、楽なほうを選んでいるからだと思うんですが、楽しい道は実は楽ではない道なので、楽なほうを選ぶと楽しくない道になります。楽に生きることは大して幸せでもなくて、どんな人でも、なにか手応えのあることを求めているんだと思います。
もうひとつ言うと、お金は幸せとあまり関係がないと僕は思っています。不自由ないくらいにあれば十分で、あればあっただけ幸せかというと全然そんなことはない。海外に行くと、その日暮らしをしている人がいますが、そういう人達にすれば自分の家や車があってお腹いっぱいご飯を食べられたら夢のように幸せということになりますが、僕らは現実にそういう生活を得ているにもかかわらず、それほど幸せを感じていません。幸せになりたいとみんなが思っていますが、それはどこかから降ってくるものではなく、自分で掴み取る必要があります。知り合いに蜘蛛が好きな人がいて、その人は休みになると山にこもって蜘蛛を探すのが幸せだといいます。でも、他の人が同じことをしてもぜんぜん幸せにはなりません。自分なりの幸せを見つけないと意味がないんです」
あでりー「私の最近の幸せは、夫が美味しいご飯を作ってくれることですかね」
春名「夜はだいたい僕のほうが早く帰るので、ご飯を作って待っています。それで、収録した好きなテレビ番組を見ながらご飯を食べるのが毎日、楽しみです」
Hさん「うちは孤食が基本なんです。夫とも生活サイクルが合わなくて、たまに一緒になって話をする機会があると、そこでいろいろと連絡事項を伝えるんですが、夫にはそれがしんどく感じるようです。だから連絡はなるべくラインでするようにしています。言った記録にもなりますので」
Fさん「私は、同棲は合宿だと思っているので、それほど楽しくはないです」
あでりー「でも、結婚する前に一緒に生活してどうなるかを確かめるのはいいことだと思います。結婚して初めて同居、となると、いきなり本番だからギャップが大きいかもしれないですし」
Hさん「それこそ成田離婚ということになりかねません」
春名「一つ言えるのは、結婚生活を十年二十年続けていくうえで、見かけとか、恋愛での駆け引きとかって、何の関係もないということですね(笑)」
Hさん「本当に、関係ないですね」
Hさん「まわりには、結婚して幸せという人は本当に少なくて、逆に結婚して地獄という人ばかりです」
春名「Fさんも結婚した人から嫌な話もたくさん聞くと思いますが、それだけではないとわかってほしいです」
Hさん「私も、結婚して楽しいですよ。ただ、自分だけに軸を置いて考えると、今の時代だったら女性がいろんな事業に進出できるので、結婚せずに、男性女性かぎらず、仕事のパートナーと生きていたかもしれません。でも昔は、結婚してないと欠陥品みたいな扱いでした。
最近、大学院の研究で結婚に関するインタビューを家族で受けたんです。それを見ると夫は、子育てなどで、私(Hさん)でなければ乗り切れなかった、と書いてくれていて、ああ良かった、と思いました。もし弱い妻だったら乗り切れなかった、と思ってくれてたんだって。それを読んで安心しました」
春名「何十年続いている夫婦だって、途中にはいろんなことがありながら、それを乗り越えてきているんだと思います」
あでりー「今が大変でも、そのあと良くなる可能性もあるんですよね。私の友人の両親も途中で険悪になったこともありながら、友人がディズニー好きということもあって、みんなで仲良く行くようになったらしいです」
春名「困難があることで、逆に絆が深くなることもありますね。Fさんは、今の相手と結婚してうまくやっていけると思いますか?」
Fさん「私の仕事がアルバイトなので、離婚して一人になったらどうなるのかなど、何が正解かと思って悩んでしまいます」
Hさん「身近で泥沼状態の夫婦を見たりすると、影響されますね。いい勉強にもなりますが」
春名「ただ、なんでもそうですが、『こうなったらどうしよう』という思いはキリがないので、前向きに楽天的に考えていくしかないと思っています。さっきも話したとおり、僕は楽しいほう楽しいほうと選んできましたが、それは享楽的という意味では全くなくて、楽しいほうを選んでいくと結果としてまじめに何かをやっていくことになります。それが一番楽しくて、一番うまくいくと思います。僕は他の人を見ていて、楽しい道と楽しくない道があったら、なぜか自ら楽しくない道を選ぶ人が多いなと感じています。それは、楽なほうを選んでいるからだと思うんですが、楽しい道は実は楽ではない道なので、楽なほうを選ぶと楽しくない道になります。楽に生きることは大して幸せでもなくて、どんな人でも、なにか手応えのあることを求めているんだと思います。
もうひとつ言うと、お金は幸せとあまり関係がないと僕は思っています。不自由ないくらいにあれば十分で、あればあっただけ幸せかというと全然そんなことはない。海外に行くと、その日暮らしをしている人がいますが、そういう人達にすれば自分の家や車があってお腹いっぱいご飯を食べられたら夢のように幸せということになりますが、僕らは現実にそういう生活を得ているにもかかわらず、それほど幸せを感じていません。幸せになりたいとみんなが思っていますが、それはどこかから降ってくるものではなく、自分で掴み取る必要があります。知り合いに蜘蛛が好きな人がいて、その人は休みになると山にこもって蜘蛛を探すのが幸せだといいます。でも、他の人が同じことをしてもぜんぜん幸せにはなりません。自分なりの幸せを見つけないと意味がないんです」
あでりー「私の最近の幸せは、夫が美味しいご飯を作ってくれることですかね」
春名「夜はだいたい僕のほうが早く帰るので、ご飯を作って待っています。それで、収録した好きなテレビ番組を見ながらご飯を食べるのが毎日、楽しみです」
Hさん「うちは孤食が基本なんです。夫とも生活サイクルが合わなくて、たまに一緒になって話をする機会があると、そこでいろいろと連絡事項を伝えるんですが、夫にはそれがしんどく感じるようです。だから連絡はなるべくラインでするようにしています。言った記録にもなりますので」
Fさん「私は、同棲は合宿だと思っているので、それほど楽しくはないです」
あでりー「でも、結婚する前に一緒に生活してどうなるかを確かめるのはいいことだと思います。結婚して初めて同居、となると、いきなり本番だからギャップが大きいかもしれないですし」
Hさん「それこそ成田離婚ということになりかねません」
春名「一つ言えるのは、結婚生活を十年二十年続けていくうえで、見かけとか、恋愛での駆け引きとかって、何の関係もないということですね(笑)」
Hさん「本当に、関係ないですね」
【結婚と離婚】
春名「恋愛結婚だからうまくいくわけでもなく、僕は昔の見合い結婚だって悪くなかったと思っています。今は離婚率が三十何パーセントらしいですね。昔より離婚しやすくなったという点はあるでしょうが」
Hさん「転職みたいなイメージですよね」
春名「無理して一緒にいる必要もないと思います」
Hさん「結婚して長くなると、ここまで来たんだからということもあって、離婚はしにくくなりますね」
春名「まあ、それはそれだけしっかりした間柄だから、ということだと思います。熟年離婚もたくさんありますし」
Hさん「転職みたいなイメージですよね」
春名「無理して一緒にいる必要もないと思います」
Hさん「結婚して長くなると、ここまで来たんだからということもあって、離婚はしにくくなりますね」
春名「まあ、それはそれだけしっかりした間柄だから、ということだと思います。熟年離婚もたくさんありますし」
【結婚式】
春名「僕らの時代は、何百万円もかけて派手な結婚式を挙げる人が多かったですが、僕らはそんな結婚式は望んでなくて、最初は挙げなくていいかと言ってたんです。それでも、ペンギンが好きで巡り合った二人だから、ペンギンを絡めた自分達らしい式ができるといいなと思い、妻も賛同してくれました。静岡の加茂花菖蒲園というところの綺麗な温室を、無理にお願いして式場として使わせてもらい、プロデュース会社と協力して一から式を組み上げました。ドレスは、レンタル衣装を回ったけどいいものがなかったんですが、たまたま近くにファッションショーを企画するほどのデザイナーさんがいたんです。その人にお願いしたら、他とはまったく違う、とびきり素敵なドレスを作って下さいました。料金もすごく安くしてもらえて、何度もそこに通って丈を合わせてもらい、歩き方も教わったりしました。招待状や席次表などの備品類もすべてパソコンで作り、ケーキはペンギン型で注文しました。式の台本もA4用紙10枚くらいで作り、式でかける曲も自分達で選び、途中で流す映像と共にDVDを製作しました。人前結婚式なので出席者に色紙に署名してもらったんですが、最後に特別ゲストとして本物のペンギンに登場してもらい、その足型を色紙に押して完成、としました。そのためのリハーサルも何度も繰り返しました。だから、普通の式よりも準備がめちゃくちゃ大変でしたが、それがめちゃくちゃ楽しくて幸せで、一回で終わるのが惜しいくらいでした。僕が結婚する時に思ったのは、二人でいろんな作品を作っていきたい、ということでした。だからどちらがどちらに従うでもなく、二人で楽しくやっていきたいと思い、それを実践してきた自負はあります」
Hさん「私達もそういえば、一所懸命やりました。ケーキを特別に注文したり、ウェディングドレスはレンタルではなく購入しました。色ドレスは無しにして白二着にして、いっぽうはミニバージョンにしました。ガーデンウェディングの会場で、私達がいちばん最初だったと思います。だから、ゼクシィの取材が来ました」
Hさん「私達もそういえば、一所懸命やりました。ケーキを特別に注文したり、ウェディングドレスはレンタルではなく購入しました。色ドレスは無しにして白二着にして、いっぽうはミニバージョンにしました。ガーデンウェディングの会場で、私達がいちばん最初だったと思います。だから、ゼクシィの取材が来ました」
【春名の両親の話】
春名「うちの両親も、父親は三年前に亡くなりましたが、すごく仲が良かったんです。人付き合いをしない二人だったので、父が定年退職したあともずっと二人で暮らして、よく一緒に旅行に行ったりもしてました。父が肺の病気にかかって、緩和ケアのあとで自宅療養の話になった時、母はもう79歳だったから体力的に無理だと言ってたんです。それでもいざどうするか決めるとなったら、やっぱり私が診ます、と母が宣言して、自宅療養が始まりました。もちろん訪問看護も利用しましたが、毎食の準備と片付け、トイレの始末など、日常のお世話は基本的に母一人でおこないました。結局二ヶ月ほどで父は亡くなって、母にとってはすごく大変なことでしたが、あとから聞くと、『本当に幸せな二ヶ月だった』と言ってました。
それから僕としては、本当に仲のいい二人だから、父が亡くなったら母がどうなるかもすごく心配だったんですが、亡くなる直前までしっかりお世話をして、亡くなった後も普通にご飯も食べてお葬式ではみんなと笑って話をしたり、それほど強く落ち込むようなことはありませんでした。僕は親に対していろいろな思いはありましたが、その最後の二人の姿を見て、うちの両親はすごいなあと尊敬するようになりました。いいお手本だったと思います」
あでりー「私は訪問看護師をしていたので、いろんな方の家に行ったり終末期の看取りもやってきましたが、すごくいい例だったと思います。最期の一週間で人生が決まる、どれだけいがみあっていたとしても、最期の一週間が充実していれば全部帳消しにできる、とも言われます」
春名「父の死後、母から二人の結婚の話も聞きました。父と母は職場で知り合って結婚を決めて、母の両親に結婚させてくださいと挨拶に行って、喜んでもらえたんです。でもその後、父の両親が母のことをあまりよく思っていなくて、別の縁談を父に持ってきてそれに決めるように説得されてしまったんです。だから仕方なくもう一度、母の家に行って、結婚を取り消させてくださいとお願いしたんですね。その場には伯父も同席していたんですが、帰りの道中で父がずっと泣いていたらしいんです。それを見かねた伯父が、そんなにあの人が好きなんだったらということでいろいろ画策してくれて、職場の人がお金を出して結婚式を挙げてくれたりしたらしいです。そのおかげで僕が今ここに存在していると思うと、とても感慨深いです」
それから僕としては、本当に仲のいい二人だから、父が亡くなったら母がどうなるかもすごく心配だったんですが、亡くなる直前までしっかりお世話をして、亡くなった後も普通にご飯も食べてお葬式ではみんなと笑って話をしたり、それほど強く落ち込むようなことはありませんでした。僕は親に対していろいろな思いはありましたが、その最後の二人の姿を見て、うちの両親はすごいなあと尊敬するようになりました。いいお手本だったと思います」
あでりー「私は訪問看護師をしていたので、いろんな方の家に行ったり終末期の看取りもやってきましたが、すごくいい例だったと思います。最期の一週間で人生が決まる、どれだけいがみあっていたとしても、最期の一週間が充実していれば全部帳消しにできる、とも言われます」
春名「父の死後、母から二人の結婚の話も聞きました。父と母は職場で知り合って結婚を決めて、母の両親に結婚させてくださいと挨拶に行って、喜んでもらえたんです。でもその後、父の両親が母のことをあまりよく思っていなくて、別の縁談を父に持ってきてそれに決めるように説得されてしまったんです。だから仕方なくもう一度、母の家に行って、結婚を取り消させてくださいとお願いしたんですね。その場には伯父も同席していたんですが、帰りの道中で父がずっと泣いていたらしいんです。それを見かねた伯父が、そんなにあの人が好きなんだったらということでいろいろ画策してくれて、職場の人がお金を出して結婚式を挙げてくれたりしたらしいです。そのおかげで僕が今ここに存在していると思うと、とても感慨深いです」
