イベント開催報告
◆2025.11.16 Keswick読書会
〈好きな本を紹介し合いましょう〉
〈好きな本を紹介し合いましょう〉
初参加の方2名を含め、総勢5名で賑やかに語り合いました。お勧め本が紹介されるにつれ、幕末に始まり、健康談義、自己啓発へとテーマが次々に変わっていくところがドラマティックで面白かったです。
【紹介された作品一覧】
『プリズン・ブック・クラブ』アン・ウォームズリー
『明治維新の正体』鈴木荘一
『花時間』2008年2月号
『強運』『宇宙からの強運』『異人 深見東州の実像』深見東州
『BIO HACKING』高城剛
『私たちは売りたくない!』チームK
『身近かな食物による手当て法』
『千の扉』柴崎友香
『13歳からのアート思考』末永幸歩
『はらぺこ万歳』たかぎなおこ
【詳細な内容】
◆『プリズン・ブック・クラブ』アン・ウォームズリー
春名「カナダの刑務所で行われている読書会を紹介したルポルタージュです。課題図書を読んだ受刑者達がその本について話し合うんですが、主催者の思惑とは違っていく様が面白いです。たとえばO・ヘンリーの『賢者の贈り物』については、主催者は人を思いやる心を感じてほしいのだけれど、受刑者達は、『二人ともバカだな』『もうちょっと考えてから贈り物をしろよ』などと容赦がありません。他にも、探偵小説については探偵よりも犯人に肩入れし、こうやったら犯人はうまく逃げられたのに、という感想になります。そうした、きれいごとではない生(なま)の感想が聞けるので面白いんです。
著者の経歴も面白くて、ロンドンに住んでいた時に暴漢に襲われてトラウマを受け、その傷がようやく癒えた時にこの読書会を取材してみないかと誘われます。受刑者と同席することに抵抗を感じつつ、実際に訪れてみるとその面白さに惹かれて参加するようになります。ただ、毎回参加していると、いつもの参加者が問題を起こして独房に入れられたり、別の刑務所に移されたりすることもあって、複雑な思いにもなります。それから本書は、装丁もすごくかっこよくていいんです」
Hさん「おしゃれな装丁ですね。受刑者の読書会という内容には思えません。私は幕末が好きなんですが、今のお話を聞いて、吉田松陰が思い浮かびました。彼も、偉ぶることなくいろんな人の話に耳を傾ける人で、私が尊敬する人の一人です」
著者の経歴も面白くて、ロンドンに住んでいた時に暴漢に襲われてトラウマを受け、その傷がようやく癒えた時にこの読書会を取材してみないかと誘われます。受刑者と同席することに抵抗を感じつつ、実際に訪れてみるとその面白さに惹かれて参加するようになります。ただ、毎回参加していると、いつもの参加者が問題を起こして独房に入れられたり、別の刑務所に移されたりすることもあって、複雑な思いにもなります。それから本書は、装丁もすごくかっこよくていいんです」
Hさん「おしゃれな装丁ですね。受刑者の読書会という内容には思えません。私は幕末が好きなんですが、今のお話を聞いて、吉田松陰が思い浮かびました。彼も、偉ぶることなくいろんな人の話に耳を傾ける人で、私が尊敬する人の一人です」
◆『明治維新の正体』鈴木荘一
イベント常連参加のKさん「幕末が大好きで、家に20冊ほど本があるんですが、そのうちで一番好きな一冊です。1853年にペリーが来航してから大政奉還が起こり、戊辰戦争までのできごとが書かれています。幕末は登場人物のキャラが濃くて、ロマンがあるんです。本書では、正当な歴史が教科書のよう書かれています。最近になって研究が進み、見方が変わってきたところもありますが、僕は第15代徳川慶喜が江戸幕府を天皇に返す英断に惹かれました」
Hさん「私も以前は、味方に知らせず逃げたことで慶喜公を良く思っていなかったのが、実はそうではないと知って彼の見方が変わりました。つまり、国内で戦い合っているとその隙に海外から攻め込まれてしまうからという理由だったので、彼の行動は英断だったと思います」
Yさん「林真理子さんが『正妻』という小説で、慶喜が愛人と逃げたと書いていましたが、今の話は新しい発見でした」
Kさん「あとから新選組の近藤勇たちが大阪城に来た時も、慶喜が敵前逃亡して愕然としたという逸話もありました」
Hさん「私も以前は、味方に知らせず逃げたことで慶喜公を良く思っていなかったのが、実はそうではないと知って彼の見方が変わりました。つまり、国内で戦い合っているとその隙に海外から攻め込まれてしまうからという理由だったので、彼の行動は英断だったと思います」
Yさん「林真理子さんが『正妻』という小説で、慶喜が愛人と逃げたと書いていましたが、今の話は新しい発見でした」
Kさん「あとから新選組の近藤勇たちが大阪城に来た時も、慶喜が敵前逃亡して愕然としたという逸話もありました」
◆『花時間』2008年2月号
イベント初参加のYさん「今は少し傾向が変わってしまって買ってないんですが、花好きの人にとってはバイブルのような雑誌です。この2008年の頃は写真とフラワーアレンジメントの組み合わせが神がかっていて、大好きでした。とくにこの号の椿特集が素晴らしかったです。写真の色合いが良くて、仕事で参っていた時期に、この本を一時間くらいじーっと見て癒やされたこともありました。でも生け花は、自分でやってみてもうまくいかないんです」
あでりー「私も、自分ではなく祖母が生け花を習っていて、葉っぱの表面をお客様に見せないといけないとか、椿のような冬の花は逆に葉っぱの後ろを見せてもいいとか、いろいろ教えてくれました」
Yさん「そういう基本ができていると、一生ものですね」
Hさん「『守破離』という言葉がありますが、『守』は基本で、『破』は基本を元にして自分の好きなようにやって、『離』は最後にそこから離れていい、ということですね」
あでりー「私も、自分ではなく祖母が生け花を習っていて、葉っぱの表面をお客様に見せないといけないとか、椿のような冬の花は逆に葉っぱの後ろを見せてもいいとか、いろいろ教えてくれました」
Yさん「そういう基本ができていると、一生ものですね」
Hさん「『守破離』という言葉がありますが、『守』は基本で、『破』は基本を元にして自分の好きなようにやって、『離』は最後にそこから離れていい、ということですね」
◆『強運』『宇宙からの強運』『異人 深見東州の実像』深見東州
イベント初参加のHさん「3冊とも、同じ著者の本です。電車の広告とかで著者の顔を見かけた人も多いと思います。藤岡弘さんに似ていますね。
いろんな面を持つ人ですが、この人を正しく認知してもらうため、こうした読書会で紹介しています。著者は多才ということからレオナルド・ダ・ヴィンチにもたとえられますが、絵や音楽をたしなまれたり、能を舞ったり、実業家、宗教家としての側面もあります。他にも、みすず学苑という塾を50年ほど経営していたり、世界の平和について活動する団体の理事を務めていたりもします。宗教家としては、ワールドメイトという宗教法人の教祖でもあります。
今回の本の中にも、人はなぜ苦しむのか、どうそれを乗り越えていくのかということが書かれています。簡単に内容を紹介すると、ネガティブにならずできるだけポジティブになること、人間として最大限努力はしないといけないこと、目に見えない神がいることで自分達が存在していることを知ること、などが書かれています。
ただ、そういったことを頭で理解しようとすると真理から遠ざかってしまいます。ブルース・リーの映画にもあった、『考えるな、感じろ』ということですね。他にも、感謝の心を忘れないこと、人は何度もリセットして生まれ変わること、なども書かれています」
Yさん「私、学生時代に宗教の成績が良かったんですが、宗教って面白いですね。信仰はしていませんが(笑)。いろんな社会背景や風土を反映していて、雑学的に面白いと思います」
Hさん「考え方の工夫にはなりますね。それが幸せになる秘訣でもあります。あとは、徳を積むことが大事ですね」
春名「僕は、宗教ではないんですがサイモントン療法というものを信奉していて、病気を心の持ちようで治すという取り組みです。病気の治療において、希望を持っている患者のほうが治癒する確率が高いことに気付いた腫瘍医が始めた療法です。その中で、やはり神のような存在が説かれていて、僕はそれを深く信じています。逆に、現代科学や現代医療はあまり信じていません」
Yさん「天理教でも、サムシング・グレートとして表現されていますね」
いろんな面を持つ人ですが、この人を正しく認知してもらうため、こうした読書会で紹介しています。著者は多才ということからレオナルド・ダ・ヴィンチにもたとえられますが、絵や音楽をたしなまれたり、能を舞ったり、実業家、宗教家としての側面もあります。他にも、みすず学苑という塾を50年ほど経営していたり、世界の平和について活動する団体の理事を務めていたりもします。宗教家としては、ワールドメイトという宗教法人の教祖でもあります。
今回の本の中にも、人はなぜ苦しむのか、どうそれを乗り越えていくのかということが書かれています。簡単に内容を紹介すると、ネガティブにならずできるだけポジティブになること、人間として最大限努力はしないといけないこと、目に見えない神がいることで自分達が存在していることを知ること、などが書かれています。
ただ、そういったことを頭で理解しようとすると真理から遠ざかってしまいます。ブルース・リーの映画にもあった、『考えるな、感じろ』ということですね。他にも、感謝の心を忘れないこと、人は何度もリセットして生まれ変わること、なども書かれています」
Yさん「私、学生時代に宗教の成績が良かったんですが、宗教って面白いですね。信仰はしていませんが(笑)。いろんな社会背景や風土を反映していて、雑学的に面白いと思います」
Hさん「考え方の工夫にはなりますね。それが幸せになる秘訣でもあります。あとは、徳を積むことが大事ですね」
春名「僕は、宗教ではないんですがサイモントン療法というものを信奉していて、病気を心の持ちようで治すという取り組みです。病気の治療において、希望を持っている患者のほうが治癒する確率が高いことに気付いた腫瘍医が始めた療法です。その中で、やはり神のような存在が説かれていて、僕はそれを深く信じています。逆に、現代科学や現代医療はあまり信じていません」
Yさん「天理教でも、サムシング・グレートとして表現されていますね」
◆『BIO HACKING』高城剛
Yさん「人間を作るのは、腸内環境と遺伝子なんです。本書では、遺伝子タイプごとの特徴や、遺伝子に合わせた食べ物のアプローチが紹介されています。著者は、沢尻エリカさんの元夫ということでも有名ですね。
私も以前はかなり体調が悪くて、その改善のため十年ほど研究をしています。クリニックに行っても良くならなかったのが、この本を読んで実践して、新しい道を切り拓けつつあります。腸は肝臓と脳とも関係しています。腸内環境の改善で、ひどい花粉症だったのが今はほとんど出なくなりました。メンタル的にも改善されました。
『腹の虫が収まらない』など、お腹に関するたとえがありますが、本当にお腹が感情に影響していて、昔の人はよく言ったものだと思います。お腹の状態によって精神状態がぜんぜん違ってくるので、私は腸活をしています。発酵食品を食べるとか、最近だとお米をしっかり食べるようにしています。発酵食品だと、長野のすんき漬けとかがありますね。食べたことはないんですが」
あでりー「すんきは美味しいですよ。長野のそば屋さんで食べました。カブの葉を発酵させて作るんです」
Yさん「塩は悪だと言われますが、漬物などで塩が使われている地域は寒い地方が多くて、血圧を高くする必要があって塩分を多く摂るようです。塩も、今の精製塩ではなく、マグネシウムやカリウムが入ったものがいいですね」
私も以前はかなり体調が悪くて、その改善のため十年ほど研究をしています。クリニックに行っても良くならなかったのが、この本を読んで実践して、新しい道を切り拓けつつあります。腸は肝臓と脳とも関係しています。腸内環境の改善で、ひどい花粉症だったのが今はほとんど出なくなりました。メンタル的にも改善されました。
『腹の虫が収まらない』など、お腹に関するたとえがありますが、本当にお腹が感情に影響していて、昔の人はよく言ったものだと思います。お腹の状態によって精神状態がぜんぜん違ってくるので、私は腸活をしています。発酵食品を食べるとか、最近だとお米をしっかり食べるようにしています。発酵食品だと、長野のすんき漬けとかがありますね。食べたことはないんですが」
あでりー「すんきは美味しいですよ。長野のそば屋さんで食べました。カブの葉を発酵させて作るんです」
Yさん「塩は悪だと言われますが、漬物などで塩が使われている地域は寒い地方が多くて、血圧を高くする必要があって塩分を多く摂るようです。塩も、今の精製塩ではなく、マグネシウムやカリウムが入ったものがいいですね」
◆『私たちは売りたくない!』チームK
あでりー「去年の秋に話題になった本です。コロナのワクチンを作っているmeiji seikaファルマの社員である著者が、ワクチンの安全性に疑問を持ち、書いたのがこの本です。次世代型mRNAワクチンとして登場したレプリコンを承認しているのは、本書発行の2024年当時では日本だけでした。レプリコンが怖いのは体内で増殖し続けることで、国の見解としてはそのうち消滅するだろうということですが、それも証明されたわけではありません。さらに飛沫感染で伝染る可能性も指摘されています。
通常のワクチンだと、実験開発に10年ほどかけ、十分な安全性を確保した上で承認されますが、コロナの場合はその期間もありませんでした。もっと怖いのは、今後インフルエンザも含めてmRNA型に移行していくことで、これは単純にお金の問題です。長い期間をかけて開発するとなると、コストもかかるしその間は収入も得られず企業としては厳しい。だから短期間で商品となるmRNA型を採用するのは営利企業として当然の話です」
Yさん「私の周りでも、コロナワクチン後遺症で具合が悪くなった人がたくさんいます」
あでりー「このワクチンの特徴として、脳への影響が挙げられます。脳に入るところの関門で異物が遮断されるはずが、このワクチンは通過してしまうからです。脳に入ってしまうと、それが嗅覚に関する部位だと臭いに異常が現れたり、記憶障害などの症状が現れたりもします。
著者がこの本を書いた理由の一つが、同じ会社の若くて健康な社員がワクチン接種後に亡くなったことでした。私は、もし自分の親がこのワクチンを打つと言ったら、止めようと思います」
春名「僕の姉の友人も、ワクチン接種直後に亡くなって、姉はショックを受けていました」
Hさん「そういうことはあまりニュースになりませんが、陰で大きな力が働いていそうですね」
春名「こういう話をするとすぐに反ワクチンだ陰謀論だと言われてしまいますが、僕もいろいろと本を読んだり自分で考えたりする中で、今のコロナワクチンはどう考えても危ないと思うので、一回も打っていません。そもそもこれまでのワクチンは、ウィルスの毒性をなくしたものでしたが、mRNAワクチンは人体の中でスパイクたんぱくというウイルスの成分を生み出すので、毒性をなくすという行程が入っていません。だからウィルスそのものと変わりがなく、これまでのワクチンより毒性が強くなって当たり前なんです」
あでりー「さらに、これまでのワクチンに比べて安定性がないので、ロットによって安全度が違うんです。そこがまた怖いところです」
通常のワクチンだと、実験開発に10年ほどかけ、十分な安全性を確保した上で承認されますが、コロナの場合はその期間もありませんでした。もっと怖いのは、今後インフルエンザも含めてmRNA型に移行していくことで、これは単純にお金の問題です。長い期間をかけて開発するとなると、コストもかかるしその間は収入も得られず企業としては厳しい。だから短期間で商品となるmRNA型を採用するのは営利企業として当然の話です」
Yさん「私の周りでも、コロナワクチン後遺症で具合が悪くなった人がたくさんいます」
あでりー「このワクチンの特徴として、脳への影響が挙げられます。脳に入るところの関門で異物が遮断されるはずが、このワクチンは通過してしまうからです。脳に入ってしまうと、それが嗅覚に関する部位だと臭いに異常が現れたり、記憶障害などの症状が現れたりもします。
著者がこの本を書いた理由の一つが、同じ会社の若くて健康な社員がワクチン接種後に亡くなったことでした。私は、もし自分の親がこのワクチンを打つと言ったら、止めようと思います」
春名「僕の姉の友人も、ワクチン接種直後に亡くなって、姉はショックを受けていました」
Hさん「そういうことはあまりニュースになりませんが、陰で大きな力が働いていそうですね」
春名「こういう話をするとすぐに反ワクチンだ陰謀論だと言われてしまいますが、僕もいろいろと本を読んだり自分で考えたりする中で、今のコロナワクチンはどう考えても危ないと思うので、一回も打っていません。そもそもこれまでのワクチンは、ウィルスの毒性をなくしたものでしたが、mRNAワクチンは人体の中でスパイクたんぱくというウイルスの成分を生み出すので、毒性をなくすという行程が入っていません。だからウィルスそのものと変わりがなく、これまでのワクチンより毒性が強くなって当たり前なんです」
あでりー「さらに、これまでのワクチンに比べて安定性がないので、ロットによって安全度が違うんです。そこがまた怖いところです」
◆『身近かな食物による手当て法』
あでりー「風邪を引いたらこれを実践するとか、いろんな病気を食材で治す方法が紹介されています」
Yさん「本当に、ハーブとかスパイスはよく効きますよね。ここに載っている梅醤番茶は、うちでも母親手作りの梅干しで作っていました」
春名「梅醤番茶は、とにかく美味しいんですよね。昔ながらのやり方で古臭いと言われようが、薬なんかよりよっぽどよく効くと思います。うちでは、温めたコンニャクでビワの葉を体に当てる療法を二日に一回、やってます」
Yさん「ビワの葉でがんが治った話を聞きました」
あでりー「ビワは本当にすごいです。アトピーのお子さんがいる友達に、種の粉末を差し上げたら、それを焼酎漬けにして使って効果があったらしいです」
Yさん「本当に、ハーブとかスパイスはよく効きますよね。ここに載っている梅醤番茶は、うちでも母親手作りの梅干しで作っていました」
春名「梅醤番茶は、とにかく美味しいんですよね。昔ながらのやり方で古臭いと言われようが、薬なんかよりよっぽどよく効くと思います。うちでは、温めたコンニャクでビワの葉を体に当てる療法を二日に一回、やってます」
Yさん「ビワの葉でがんが治った話を聞きました」
あでりー「ビワは本当にすごいです。アトピーのお子さんがいる友達に、種の粉末を差し上げたら、それを焼酎漬けにして使って効果があったらしいです」
◆『千の扉』柴崎友香
春名「Yさんが純文学も読まれるということですので、ご紹介します。これはすごく読みやすくて、現代を切り取ったような作品です。団地を舞台にした小説で、主人公の女性は入院した義理の祖父から、『高橋さん』という人を探してほしいと頼まれます。その人は、祖父が昔好きだった女性に関する何かを持っているらしく、主人公は大きな団地の中を探し歩くんですが、なかなか見つからない。でもその過程で、団地に住むいろんな人々との関係が生まれ、主人公の過去の思い出などもはさまれ、主人公の内面がゆっくりと変化していきます。それほどドラマティックなできごとが起こるわけではないけれど、そうした生活の中で主人公が少しずつ自分を取り戻していく、そんな話です。穏やかだけれど前向きな気持ちになれる、いい小説だと思います」
Yさん「最近は物語を楽しめる余裕がなくなって、現実的に役に立つ研究のための本ばかりになっていますが、こういう本も大事ですよね」
春名「実用書はすぐに知識や対処法を得られる良さはありますが、僕は小説を読む意味もすごくあると思っています。男性が女性になれたり、外国人になれたりして、別の人生を疑似体験することができる、そこでの学びは大きいと思います」
Yさん「最近は物語を楽しめる余裕がなくなって、現実的に役に立つ研究のための本ばかりになっていますが、こういう本も大事ですよね」
春名「実用書はすぐに知識や対処法を得られる良さはありますが、僕は小説を読む意味もすごくあると思っています。男性が女性になれたり、外国人になれたりして、別の人生を疑似体験することができる、そこでの学びは大きいと思います」
◆『13歳からのアート思考』末永幸歩
Kさん「とてもおもしろい本なので、5~6回くらい読みました。絵画の話をすると、伝統的な写実主義のきれいな作品の良さは誰もがわかりますが、二十世紀芸術って、マルセル・デュシャンの便器を置いただけの作品や、ピカソやマチスの絵とか、どこがいいんだろうと思いませんか? そうした作品を楽しめるように書いてあるのがこの本です。たとえば自分の似顔絵を描いてみようという実践的な内容もあって、写実的な絵ばかりではなく違う見方を教えてくれたりします。僕もこの先、いろんな作品を楽しめるほうがいい人生になるんじゃないかと思っています。物の見方が変わる一冊だと思うので、お勧めです」
Hさん「(本の中の写真を見て)この曜変天目、僕も好きですよ。宇宙を現していて、どうやって作られたかわからないんですよね。でも、自分では買えないので、それによく似た模様の茶碗を使っています」
Kさん「そうですね。曜変天目の凄さについても書かれています。その他、現代アートでよくわからない難解な絵もありますよね。それについて本書でも触れられていて、『私達の目を物質として絵そのものに向けさせようとしている』と書かれています。何の知識や情報がなくても、絵そのものの価値を見出そうということですね」
Hさん「現代アートって、究極的には『何でもいい』ということなんでしょうか」
Kさん「一つの見方だけではなく、いろんな価値観を得ようということで、その人なりの見方でいいんではないでしょうか。知識を受け取ってしまうと、多くの人はそれが唯一の正しい見方だと思ってしまい、思考がストップしてしまいます。何も情報がなければ作品そのものと向き合うことができて、社会に出た時に固定概念ではなく自分のフラットな感覚で物事を判断できるということになります」
春名「アートを通じて生き方を探ろうという内容なんですね」
Hさん「(本の中の写真を見て)この曜変天目、僕も好きですよ。宇宙を現していて、どうやって作られたかわからないんですよね。でも、自分では買えないので、それによく似た模様の茶碗を使っています」
Kさん「そうですね。曜変天目の凄さについても書かれています。その他、現代アートでよくわからない難解な絵もありますよね。それについて本書でも触れられていて、『私達の目を物質として絵そのものに向けさせようとしている』と書かれています。何の知識や情報がなくても、絵そのものの価値を見出そうということですね」
Hさん「現代アートって、究極的には『何でもいい』ということなんでしょうか」
Kさん「一つの見方だけではなく、いろんな価値観を得ようということで、その人なりの見方でいいんではないでしょうか。知識を受け取ってしまうと、多くの人はそれが唯一の正しい見方だと思ってしまい、思考がストップしてしまいます。何も情報がなければ作品そのものと向き合うことができて、社会に出た時に固定概念ではなく自分のフラットな感覚で物事を判断できるということになります」
春名「アートを通じて生き方を探ろうという内容なんですね」
◆『はらぺこ万歳』たかぎなおこ
Yさん「食いしん坊のエッセイ漫画です。美味しい食べ物がいろいろ紹介されているんですが、小さい頃に食べた産みたて卵の卵かけご飯がどれだけ美味しかったかとか、絵も温かみがあっていいんです。とくに、明石焼きがとても美味しそうなんですよ。著者の持っているあっけらかんとした人間味も魅力的で、読むと心がほっこりします。食事って本当に大事で、以前、ジャンクフードにはまった時期があったんですが、自炊を始めたら、ジャンクな味を受け付けなくなりました」
春名「ハンバーガーを30日間食べ続ける、『スーパーサイズ・ミー』というドキュメンタリーがありましたが、その人も途中で体や精神がおかしくなっていきました」
あでりー「私もハンバーガー系のものを何十年も食べていなくて、数年前に試しに食べてみたら、一口で高血圧のような変な状態になって、頭がガンガン鳴り始めて、後は食べずに残しました」
春名「僕もかつては食事はどうでもよくて、死なない程度に食べればいいという感じだったのが、結婚してからは妻が食事に気を使うのに影響されて、体質的にも精神的にも変わっていきました。やっぱり食べ物が人体を作っているわけだから当然なんですけど」
春名「ハンバーガーを30日間食べ続ける、『スーパーサイズ・ミー』というドキュメンタリーがありましたが、その人も途中で体や精神がおかしくなっていきました」
あでりー「私もハンバーガー系のものを何十年も食べていなくて、数年前に試しに食べてみたら、一口で高血圧のような変な状態になって、頭がガンガン鳴り始めて、後は食べずに残しました」
春名「僕もかつては食事はどうでもよくて、死なない程度に食べればいいという感じだったのが、結婚してからは妻が食事に気を使うのに影響されて、体質的にも精神的にも変わっていきました。やっぱり食べ物が人体を作っているわけだから当然なんですけど」
